武士が出てくる映画は、歴史上の出来事や人物をモチーフにして伝わっている史実に近い作品に仕上げたもの。また時代背景は江戸時代ながら、架空もしくは素性不詳の人物の物語などこれまでたくさん作られてきました。前者はドキュメンタリー志向が強く、後者はエンターテイメントの要素を含んだものが多いです。

日本が世界に誇る映画人といえば黒澤明監督の名前がまず出てくるのではないでしょうか。デビュー作の姿三四郎や、国際的に高い評価を受けた七人の侍、その他にも用心棒や椿三十郎など娯楽時代劇を世に送り出しています。
また最近ではその黒澤映画の大ファンと公言している北野武さんによる映画も海外では高評価となっています。その北野さんが初めて時代劇に挑戦したのが座頭市です。2003年9月に公開されたこの作品は、勝新太郎さんの演じた座頭市シリーズを題材にして全く新しい形の娯楽時代劇作品に仕上がっています。座頭市の持つかっこよさと音を重視した洗練された演出で、北野さんの作品の中でも最大のヒット作となっています。

エンターテイメント面を追及した映画が公開されている一方で、しっかり時代考証などを下敷きにした感動を呼ぶ時代劇の映画も次々と誕生しています。
時代劇映画は日本発の文化として世界にその影響をもたらしているジャンルの一つと言えます。歴史上の事件や人物に興味を持つきっかけにもなるでしょうし、サムライの美学を垣間見ることができる貴重な機会がこれからも増えていくことを願います。

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